(創作珍鳥)コバンバト
■NATURE/HUMOR SERIES NO.36 (2007.07.01)
A FIELD GUIDE TO LITTLE-KNOWN & SELDOM-SEEN BIRDS OF JAPAN
日本の知られざる珍鳥の図鑑 (第36弾)
■コバンバト(Chalcophaps magus-lemiscus)
ハト目ハト科。体長25cm、翼幅30cm。キンバト類の一種でキンバト以上に希少種である。体色には光沢色の淡青色、淡緑色が混じり、白く大きい頬線が特徴である。 和名の「コバンバト」は、幼鳥期の頭部に扁平な部分を有し、巣立を迎えるまでは羽毛が無く、その扁平な部分が小判に似ていることから「小判鳩」の名がついた。
他のハト類同様に、雑穀類を餌とし、開けた里山を生息域としていたが、羽色がとにかく美しく、中世に錦糸製造のために大量に捕獲され、 現在は殆ど見ることが出来ない。絶滅危惧種ⅠAに登録されているが、近い将来、絶滅種への登録変更は必至である。
ハト類は営巣に無頓着で、決して立派な巣作りをするわけではないが、このコバンバトはそれに輪を掛けて一切の巣材を使用せず、 地面の草株を利用していたと、室町時代の「なんとか草子(名前は忘れたが)」に記載があるらしい。卵数は1個で、育雛場所は外敵からの 攻撃を避けるために固定しないとの学説がある。
特徴は、幼鳥の頭部の羽毛の先端がカギ(鈎)形をしており、また、成鳥の胸部から腹部にかけての羽にはリング状の羽毛繊維が多数存在する。 このマジックテープのような互いの羽毛の特徴を利用して、親鳥は腹に雛をぶら下げて営巣場所を転々と移動したらしい。
成鳥となり、飛翔能力を持つようになると雛の頭部の鈎状の羽毛は脱落して普通の羽毛に生え替わり、親鳥との癒着行動も見られなくなる。
ただ、イヌノフグリ(犬のキン○○の意味の雑草)が実を付ける秋口には、腹部に沢山のフグリの実を着けた成鳥が観察されたそうである。
鳴き声の観察記録は無く不詳であるが、マジックテープを剥がす時の音に似た「ジィャー、ジィャー」というひどい鳴き声であったことが想像される。
■探鳥のコツ
「豆でも撒けば?」と住人は言っていますが、本当は何も知らないらしい。
■探鳥特殊機器
マジックテープ。これは捕獲用です。
学名のmagus-lemiscus は magic-tape の意
マジックテープのしくみは
下記のクラレファスニング株式会社のHPが詳しい
http://www.magic-tape.com/secret/shikumi.html
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