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2015年9月23日 (水)

(創作珍鳥)ユビナガガン

NATURE/HUMOR SERIES NO.21 (2006.02.24)

A FIELD GUIDE TO LITTLE-KNOWN & SELDOM-SEEN BIRDS OF JAPAN
日本の知られざる珍鳥の図鑑 (第21弾)

ユビナガガン (Anser stipes)

ガンカモ目ガンカモ科。体長72cm、翼幅140cm。マガン、ヒシクイに比して脚が長大で、足指の水かき部が後退し指が長いことからユビナガガンと呼ばれる。ユーラシアの寒帯で繁殖し、日本には冬鳥として少数が渡来する。
昨秋、福井県の若狭で、南下飛翔する10羽ほどの群れが観察され話題となった。群れの全個体が足に木片を掴み、丹後半島に差し掛かる前に一斉にその木片を海上に落としたそうである。
若狭には、昔話として「雁木」の逸話が残されている。特に「雁木を焚く」という行為について説明しなければならないが、これは、北の大地から海を越えてやってくる雁が小枝を口にくわえ、長道中の為にその小枝に掴まって海上で一休みするとのこと。よって、渡りを終えた後には、海岸に小枝が打ち上げられ、それを親孝行の童が拾って持ち帰り、民家の炉火の焚き付けに利用したとの民話である。
この民話を民俗学的に分析すると、かの有名な「鶴の恩返し」的な世界に引き込まれて終わってしまう話となるが、瑞鳥庵の住人を含む迷鳥類学者達が科学的に分析したというか、ただの余興で憶測した結果では、「雁が口にくわえることの出来る木片の径はせいぜい太くても2cm程度。止まり木として雁の約1Kgの体重を海上でささえるためには、せめて4mの長さの木片が必要。雁ではなく他の渡り鳥の仕業ではないか。」と数年前に某月刊野鳥誌にコメントを載せた。
たいていの常識ある学者であれば、民話の世界と端から疑ってかかるものであるが、住人をはじめとする迷学者連は相当おめでたく、且つ、頑固で、某有名民俗学者の雁書による進言を振り切って、頑として発表してしまった。言うまでもなくこの発表記事は不肖に付され反論も無かったことが非常に残念であったそうである。
今回の若狭の観察結果により、雁木はこのユビナガガンが長大な足指に掴んでくることが証明され、収集した数本の軽い雁木も、直径4cm大、長さ1m程のものであることから、アルキメデスの法則に則って計算してもユビナガガンの体重を海上で十分ささえるに足りるものであることを頑張って証明した。
迷鳥類学者達はこの成果に対し、「トロイの木馬」を発見したシュリーマンの逸話を引用し、「言い伝えには真実が隠されている。すべては童心から始まる。」と、大そうなコメントを同じ野鳥誌の今月号に載せている。

Yubinagagan

■探鳥のコツ
晩秋の渡りの季節に裏日本の海岸線に行くこと。

■探鳥特殊機器
規格番号:労働省告示第109号
飛来落下物用ヘルメット

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